『傾向Tendencyその2』:Torgue(トルク効果)
【新宿から代々木を仰ぎ、左の森が新宿御苑】
お陰様で、このブログは発刊から700号と相成りました(^^)
その1では、「P-Factor」を解説しました。
今回は「Torgue(トルク効果)」です。
飛行機のプロペラとエンジンが作り出すトルク(Torgue)です。
プロペラが回転する時の反作用のことです。
トルクっていうのが解らない・・・(^^;
そうですねぇ〜、たとえば、
自分でクルマを運転しているとして、アクセルを踏むと加速しますよね!?
この「加速感」がトルクになります。
車が安定的走っている状況、達した速度が馬力の結果になります。
すなわち最高速を決めるのは馬力ですが、そこに到達する時間を決めるのは
トルクなのです。
車のマニアは、ターボを付けたり燃料を変えたりします。
自分のクルマのトルクがアップした場合の体感方法は簡単に味わうことができ
ます。
一般道を走っていて、長めの下り坂に差し掛かったとします。
坂道に来るとクルマは加速します。
そうしますとアクセルを踏まなくても、クルマはゆっくり加速し始め、更に
アクセルを踏むと平らな道より軽々と加速するのが体感できますね!?
これこそがまさにトルクアップの効果で、どんなに重いクルマであってもトル
クが大きければ軽々と進める(加速できる)というのが実感できると思います。
これを逆に言いますと、どんなに軽いクルマであっても、トルクが無ければ
気持ち良く加速できないという訳です。
飛行機の左に向く「傾向Tendency」の原因の一つにTorgue(トルク効果)が
あります。
時計回りするプロペラが機体を反時計回りに動かそうとすることをいいます。
またはその傾向のことです。
ご存じのように、プロペラ中心軸は飛行機の中心線に串刺しされたように刺さ
っているとお考え下さい!
もちろんプロペラの軸がエンジンの回転軸に直結していて、エンジンは機体に
固定されています。
地上に固定されてるエンジンに取り付けられたプロペラなら回ってもエンジン
固定部はビクともしませんね!?
ところが空中を飛んでいる飛行機はニュートンの第3法則;「作用VS反作用
の法則」によって、でプロペラが時計回りに回転しますと「アクション作用」
となり、このに対して「リアクション作用」が働きます。
機体はですからプロペラ回転の反対方向に傾こうとします。
特にトルクが強くなりますと、飛行機は左に傾こうとします。
これはかなり強い現象として起こります!
ヘリコプターの後ろにあるTail Rotorは、このTorqueを押さえるためにあります。
夢を壊すようですが、ドラえもんの竹コプターが実際にあると考えると、
・・・トルクの力で人間の首なんて・・・簡単に捻れ切ってしまいます(^^;
特徴は、
・プロペラが力強く回れば、その分トルクも強くなる。
(飛行機だけでなく、回転する物は何でも反作用としてトルクがあります)
・速度が遅いと翼の揚力も小さくなり、トルクの影響が大きくなる。
飛行機は通常の速度で、トルクの作用が小さくなる様に設計・調整もされてい
ますから、そのため、低速ではより強く働きます。
飛行機のパイロットとして乗ると分かるのですが、普通、離陸直後(エアーボ
ーンといいます)に一番強く感じることが出来ます。
また着陸復行(Go Around)する時にも、トルクの影響で飛行機が傾きやすく
なります。
私も訓練段階の時に、飛行場に着陸直前、教官から「Go Around!」って言わ
れ、慌ててスロットル全開(エンジンパワー最高)して機首をぐんと引き上げ
たとき、機体が急に傾き左目の前に滑走路が見え、ビックリしたことがあります。
後で、教官から「あれがプロペラ・トルクなんですよ!」って教わりました。
あれからの「Go Around」は、かなり注意するようになりました。
さて、ここからビジネス・リーダーの皆さんへの教訓です。
ビジネスの世界でも「作用VS反作用」の法則は、顕著に表れます!
薬もまったく同様です。良く効く薬は、副作用も大きいのです。
どういうことか?
大きな改革、改善をしようとすると大きな反対、大きな批判に晒されるのです!
企業が成長発展しようとすると、ビジネス・リーダー多くの改善、いや、まっ
たく今までとは違ったことを施策として断行することが多々あります。
受け身の部下・後輩ほど、
「だって・・・いままでのやり方が一番やりやすいし・・・慣れているし・
・ ・、なんで敢えて、変えなくきゃなんないのぉ〜???」
とハッキリ口に出したり、サボタージュまでやります。
そのことに無知な人間ほど、自分の都合の良い人の意見につきたがります。
その方が安全、安心だと思うのです。
もちろんビジネス・リーダーとして、真因を伝えてはならない重要な事柄も
あるので、余計に部下・後輩を説得することが難しい場面もあるでしょうねぇ〜(^^;
このときに、ビジネス・リーダーとしての真価が問われます。
もしかすると「ワンマン」「独裁者」と罵られるかも知れません。
その正しい方向性を見誤らず、毅然たる態度で強い命令をするのです!
「非情の情」も同様の意味を含んでおります。
いま政治の世界で繰り広げられていることとは無関係の、「組織論」での原理
原則を申し上げました(^^)
いわき経営コンサルタント事務所ホームページ
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