『調布飛行場の墜落炎上事故からの教訓』

【あれぇ〜どこだったのかなぁ???】

 

2015年7月26日(日曜日)の夏、東京都調布市にある調布飛行場から飛び立った、
軽飛行機が離陸直後に民家に墜落炎上、住民を巻き添えにした重大事故を起こしました。
悲惨な事故でした(^^;

 

事故機はアメリカの軽飛行機メーカーで、フロリダ州ベロビーチにあるパイパー・エア
クラフト社が製造したものです。
パイパーPA−46(Piper PA-46)-350P マリブー・ミラージュ(Malibu Mirage)と呼ばれ
る飛行機です。

 全長:8.81 m
 全幅:13.11 m
 全高:3.44 m
 翼面積:16.26 m2
 全備空虚重量:1,416 kg
 最大離陸重量:1,968 kg
 エンジン:テキストロン・ライカミング TIO-540-AE2A 
      水平6気筒ピストンエンジン(350hp) × 1
 最大水平速度:407 km/h
 証明認定高度:7,620 m
 航続距離:1,953 km(最大燃料時)
 乗客:最大5名
 乗員:1名

 

まだまだ飛行機の熟練者でない私がどうのこうのと言うのを憚らねばなりませんが、直感
で、当時の飛行場外気温34度での離陸だからエンジン出力不足・・・搭載重量オーバー
を原因と考えました。

 

ちょうど前回、単発飛行機の上昇中に起こる「傾向」について、このメルマガを書きました

ので、なんだかいい気持ちがしません。

 

離陸というのは、簡単ではないことを物語った事故でした。

 

エンジンの出力不足は致命傷です。
ですから、機長は出発前確認チェックを・・・これでもか! というほど慎重にしなけれ
ばならない教訓を痛感した次第です!

 

軽飛行機での離陸前には、責任者である機長は必ず、エンジン・チェックというのを離陸
直前にしなければなりません。

 

3つのチェック項目があります。
一つは、左右それぞれの燃料(主翼にあります)からの供給が正しく行われるか?
切り替え可能か? のチェックです。

 

もう一つは、エンジン内の点火プラグが安全上の理由で2個付けられています。
それぞれの点火プラグの片方を止めたら、どの程度のエンジンパワーがダウンするか証明
されていますので、規定値内にあるかどうか?のチェックをします。

 

3つ目は、エンジンをフルパワーからアイドルまでスムーズであるかどうか? 
その時のエンジンの音が正常化どうか?を、感応チェックします。

パワー全開をしますので、後方に凄い風が発生します。

 

そのためほとんどの飛行機は、離陸直前にランプという場所でテストをします。

 

今回の事故機の後に、離陸しようとしたパイロットの証言では、
 それをしていないのか? 
 別の場所でやっていたのか? 
タワー(管制塔)に「チェックをしたよ!」という宣言をして飛び立ったとそうです。

 

飛行機は通常、滑走路の末端で一旦停止(Line up & Wait)し、離陸直前に「行きます!
(Cleared for Take-off! 日本でRunway's clear!)」と宣言してからフルパワーにします。

 

機体が浮き上がる直前まで、エンジン音が異常であったり、必要なパワーが不足と感じ取
れたり、浮揚すべき所に来てもまだスピードが上がらなかったら、、異常停止宣言(Abort)
をして、止めることが機長の判断になります。

 

免許を取得するまでに、何度か異常停止の訓練をします。

停止できる距離を知るため、当日の気温、湿度、飛行重量、飛行場の海抜高度から「最大
離陸距離」を計算する義務が機長にあります。
これは実技試験で、試験官から必ず訊ねられる必須項目です。
ですから受験生は試験官に会う直前に、ATISという空港周辺気象状況を入手し、空港
の高度や滑走路の長さ、ランウエイの方角などを暗記します。
そして必ず、最大離陸重量以下の飛行状態にあるのか? 最大離陸距離以下の飛行場から
の出発なのか? 計算しておかねばなりません。

 ・気温が高く
 ・湿度が多く(高い)
 ・飛行機総重量が重い
 ・飛行場の海抜高度が高い
と、離陸距離が伸びるのです!

 

4回に渡って、単発軽飛行機の『傾向(Tendency)』を買いておりますが、今日は、関連
トピックスとしてのブログとなりました。

 

今までに飛行機の離陸上昇中は、ピッチ(飛行機の上昇姿勢)を上げると書いてきました。
ピッチを上げると「プロペラ・トルク」「Pファクター」が増え、飛行機は左に向く傾向
があることを書いてきました。

 

それ以外に、この後のブログで書かせていただきますプロペラ後流(Slipstream)と回転
する物の反応(Gyroscopic Precession)も左に飛行機を向かせる傾向づくりをするのです

が、特に今日までの2回の特性を再度、お話しします。

 

「プロペラ・トルク」と「Pファクター」は、離陸や上昇を始めた時に、また低速でエン
ジン・フルパワーの時に、飛行機を左に傾ける傾向のことです。

 

あの調布の事故飛行機も滑走路の左前方の住宅街に墜落しました。
おそらく、飛行機が左に傾く『傾向(Tendency)』が発生したのだと考えます。

 

「飛行機が左に傾く」というのは、放っておくとどうなるか・・・?
これもずっと以前にお話ししましたが、飛行機は空の上では氷の上を滑るような状況に
あります。
左に傾きますと、左に滑り落ちるのです。
機首が下がりますと、スキーとまったく同様にまっすぐ滑り落ちるのです。
落ちる方向のスピードは増します!

ですから、左に傾きますと左に滑り落ちようと飛行機はします。
その分、直進方向のスピードが力学の法則で減るのです(^^;
スピードが減りますと、揚力が減って飛行機全体が飛ぶ力を失って降下するのです。

 

あの事故報道での、離陸直後の様子を見ていた人たちのインタビューも流されていまし
たが、「フラフラしながら・・・」という発言を観ていた人が話しております。

まさに離陸直後の飛行機が左に傾く『傾向(Tendency)』を示し、パイロットはそれを
修正するため操縦桿とラダー(方向舵)を動かしたのでは・・・?

 

そこにエンジン不調が始まり、たちまち飛行機が降下したと考えてもいいのです!

原因はともかくも・・・ビジネスリーダーの皆さんが教訓になされたいことは、事を始め
る前には「何度も、何度も状況把握と機械・装置などのチェック」「人員の健康チェック」
が必要不可欠であるのだということです。

 

特に、「習慣(クセ)になるまで」を念頭に入れて、部下・後輩から疎ましがられても、
耳にタコができても大切なこと、重要なこと、特に命に関わることは、口酸っぱく言い続
けることなのです!

 

航空機事故だけではなく、あらゆる事故は、起こってしまってからでは取り返しがつきま
せん!

 

ぜひ、皆さんは「対岸の火事」にしないようにして下さい!
「対岸の火事」とは、自分には何の関係もないので痛くも痒くもないということなのです
が「阿呆」「馬鹿」の考えることです!

「他山の石」とは、よそのできごとや自分に対する批評が、自分の知恵・徳をみがく助け
となるということです。

 

 

【国土交通省航空局事故調査報告】
 2017年07月18日に発表された国土交通省航空局事故調査報告があります。
 参考までに、URLを貼っておきます。
 http://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/detail2.php?id=2131


「教訓づくり」とは、二度と同じ過ちを起こさないことです。

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