『空気密度と航空機の性能(Air Density and Performance)』

【ついに江ノ島に出ました!】

 

またまた、過去に発生した調布飛行場付近に軽飛行機墜落炎上の事件についてお話します。

 

私程度の、まだ飛行操縦時間も少ない人間が偉そうなことを考えてはならないのですが、
だいたい実技より理論が先行した私なものですから、つい、当日の事故発表の報道でなさ
れた時、瞬時に原因を探ってしまいました。

 

安直ですが、真っ先に思いついたのが「ペイロード・オーバー(重量オーバー)」でした。
当時の調布飛行場の外気温度が34℃と発表されていたからです。

 

今日は、やや専門的・理論的な話から入りますので・・・またまた、難しい方はサラッと
読みか飛ばし読みなさって下さい!

 

飛行機(航空機)の性能というのは安全面で考えますと、「離着陸距離」と「上昇性能」
が非常に重要となります!
いかに短い距離で離着陸し、安全に早く巡行高度まで上昇できるか?
そして高い山を安全に超えられるか?

 

私は、まだ3000mを超える高い山の上を操縦飛行したことはありません。
フライトシミュレターでは、何度も富士山頂上お釜の上を飛んだりしております。

 

飛行機は、空気の中を飛んでいるので空気の密度が、飛行性能に大きな影響を及ぼします!

 

まず「空気密度」についてお話します!
「空気密度」というのは、1㎥(立方メートル)の空気の質量のことです。
簡単に言えば、「重さ」ですね!?
「空気密度」の単位は、kg/m3を用います。
例えば0℃のときの1㎥の空気は、約1.25kgもあるんですよ!(^^)
ですから、「空気密度」は1.25kg/m3と書きます。
温度が上昇して17℃になりますと1.20kg/m3と軽くなり、「空気密度」は小さくな
ります。

 

まずエンジンですが・・・、同じ体積の空気を吸入しても、温度や気圧が異なれば吸い込
んだ空気の重量に差が出てきます。
このとき、温度が低く気圧が高いほど吸入空気の質量が大きくなるため、より多くの燃料
を燃焼させることができ出力が増大します!

 

ですから、空気を吸い込むのに密度の高い空気の方がいいのです。
そこで考えられたのが「ターボ・エンジン」なんですね!? 
元々の空気を圧縮すれば「空気密度」は重く、濃くなりますのでエンジンに供給すること
ができます。

ただ、このことは多くの燃料を燃焼させることができるだけであって、燃費が良くなるの
ではありません! 
ターボ・エンジンほど燃料を喰うものはありません!

 

街中で、200km/h以上のスピードでバンバン〜スっ飛ばす車なら、おぉ〜格好いい!
って拍手しますが、ノロノロ・バフバフ走っている兄ちゃん・おっちゃんを見ると「アホ
かいなぁ〜」と思って、つい笑ってしまうことがあります。

 

「空気密度」が高いと言うことは、「一定の体積でより多くの空気の粒がある」と言う
ことなのです!

 

「空気密度」が高いと飛行機はグングンと気持ち良く上昇し、短い距離で離着陸ができます。
そして高い山でも飛び越える事が可能になります。

 

「空気の密度」が高いと、翼の上を通過する空気の量までもが多くなって、低速でもより
多くの揚力が生まれます。(以前、ベルヌーイの法則&ニュートンの第3法則で揚力に
ついてお話しました)

 

またプロペラも、エンジンによって無理やり回されている翼と同じですから、空気密度が
高い方が、より強い推力を生み出します。

 

逆に空気が薄くなりますと、翼、エンジン、プロペラの性能が落ちるのです!
高度を保つのも非常に困難となります。

 

さきほど、フライトシミュレターで富士山の頂上に・・・と書きましたが、フライトシ
ミュレターは良くできていまして、3000ft(約1000m)を超えますと、空気混
合比を適正に調整(ミクスチャー調整といいます)をしませんと極端に馬力が落ち、上昇
率が減少します。
無理矢理、機首を上げますと・・・たちまち失速になります!

 

空気の密度が増える時というのは、
 ・気圧が高い時です。

 

 ・そして高度が低い所です。 
  高度が高くなりますと気圧が下がります。それに比例して、空気密度も下がります。

 

 ・パイロットとして大事なのは気温の影響です!
  気温が高くなりますと空気密度が低くなります。 
  これは高温になると空気の粒が大きく振動して空気が膨張するからです!
  その結果、一定の体積の中では空気の粒の量が減ってしまいます。

  ※今回の調布飛行場付近墜落事故は、夏の暑い日は上昇性能が目立って悪くなる時が
   ある!・・・という理論と実際があるので、重い重量で離陸しようとしたのでは?
   と真っ先に想像しました!!

 

 ・湿度の高い(湿気の多い)日も、空気密度が低くなります。 
  湿度が高いと空気は重たくなると思う人が多くいます!
  その理由は大気を構成する窒素(N2)と酸素(O2)の粒が、水蒸気(H2O)よりも
  重たいからなのです。簡単に説明しますと空気の粒は水蒸気よりも重たいからなの
  です。水蒸気が多く入った1㎥の袋は軽い訳です!
  
  影響は少ないのですが、湿気も飛行機の性能に影響を与えます。 
  湿度が高いということは軽い水蒸気の方が多いからなのです。
  ですから空気が軽くなってしますのです!

  ★これは覚える必要はありませんが、窒素や酸素などが元素のままガス状になります
   と2つの原子がくっつきます。でも水蒸気はH2Oのままで、二つの分子がくっつ
   くことはありません。水素は軽いので、その差が空気の密度に影響を与えます。

 

 ・最悪な状態は、標高の高い空港(気圧が低い)から離陸する時に、うだる様に熱い
  真夏のお昼、日本の様に湿気の高い日が危険なのです。
  ※ですからグランド・キャニオンや九寨溝などの観光に行ったとき、天候不良で待た
   されることがあったのはそのせいなのです1
  この様な空港から離陸する時は、少しでも気温の低い早朝に離陸するのが最良の選択
  なのです!

 

唯一、空気密度が低くて得する場合もあります。 
安全性は落ちますが、空気が薄いと空気抵抗も少なくなります。
その為、かなり高い上空では実際の速度が速くなります。 
でも空気密度が低いので速度計(Airspeed Indicator)に与える影響も低くなって、計器
に表示されえる速度は遅くなりますが、実際の速度、真速度(True Airspeed)は早くなり
ます。
平均的に1000ft上昇しますと2%速度が増すと言われています。

 

もう少し、お飛行機の勉強となります。ガマンして下さい!
「密度が高いから性能がいいよぉ〜!」と言われても、どれぐらい良いのか言っている
本人以外には分りません。
そのために、平均的な大気として標準大気(Standard Atmosphere)と言うのが定義されて
おります。

 

この標準大気に従って、「飛行機(航空機)の性能が標準大気では、高度がどれぐらいの
性能か?」と言うのに密度高度(Density Altitude)と言うのが、飛行機の世界では頻繁に
使われています。 

 

もし、密度高度(Density Altitude)が3,000ftと言われますと、誰が何を言おうとも、
飛行機(航空機)の性能は、標準大気状態では3,000ftの性能を発揮することが
分ります。


かなり難しお話となりましたが、飛行機の世界では常識的に知っておかねば・・・なりま
せん!
あの調布飛行場付近墜落事故では、機長がその重要なことをマンネリズムでマァマァ〜、
なぁなぁ〜にしたのではと、私は勘ぐっております。
もしくは、機長は独立開業したばかりで、仕事を請け負っている身のため、元請け会社か
らなんとか飛んでくれよ!と言われて・・・無理をしたのかも?(^^;

蒸し暑い夏は、空気密度がガクンと落ちるのです。その落ちた分は、ガソリンや搭乗人員、
搭載物を少なくすべきなのです!


さて、ビジネス・リーダーへの教示となります。

 

企業が成長発展することは、飛行機と同様に上昇状態に入ることなのです。
企業・組織の総ての能力(ケーパビリティといいます)が低い状態で離陸・上昇しようと
すると・・・やはり観念的に失速をすることが多々あるのです。

 

その原因はなにか!?
今回の教訓から「リュックサックが重すぎる!」ということにお気づきいただきたいのです!
よくお話をすることですが、ダメになる企業のほとんどは「成長」ではなく「膨張」した
企業なのです。

 

シッカリした骨組みも育たず、図体だけが大きく、重くなった企業のことを「膨張企業」
といいます!

 

従業員の数や、設備・道具・什器・備品は山ほどあるが・・・使いこなす人がごくわずか(^^;

このような企業を「リュックサックの重たい企業」と私は呼びます!

 

総重量の重い企業が競争激化の暑い中で、ビジネスをする場面を想像しましょう!?
どう考えても戦いを繰り広げるには難があります。
競争激化の環境は、「空気密度」が低いので直ぐに息切れを起こします。
失速することが十分に考えられるのです!

 

馬力を入れようと助っ人に他部署から補充要員を持ってきても
「船頭多くして、船、山登る」
となってしまう(^^;

 

ぜひ企業・組織をより詳細に機能分化してみて、そこに必要不可欠な人財、人材を配置し、
予備の育成を怠らない。

 

そして環境を良く理解した上で、離陸・上昇を開始しましょう!

 

 

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