『エンジン燃焼の異常・正常(Abnormal and Normal Combustion in an Aircraft Engine)』

 

【相模川河口です!】

 

さてさて、ここんところかなり専門的な内容ばかりでごめんなさい!

 

前回につづき、エンジンについてのことを書かせていただきます。
長文、専門的・・・読み飛ばして下さい!

でも・・・パイロット資格って、こんなんことを知っておかなければ取れないのです(^^;

 

前述しましたが、エンジンの内部では圧縮された空気と燃料の混合気(Fuel&Air Mixture)
がSpark Plug(点火プラグ)によって燃焼(Combustion)します。 

 

シリンダー内部の混合気がピストンで圧縮され、最高のタイミングでスパーク・プラグが
火花を発して、混合気が規則正しく燃焼するわけです。
この規則正しい燃焼がピストン・エンジンの性能をフルに発揮します、と同時に、また
エンジンの寿命も長くなることは自明です。

 

通常のエンジンでの燃焼サイクルについてお話します。
シリンダー内部の排気ガスが排出されますと、今度は新しい混合気(Fuel&Air Mixture)が
入ってきます。
入りきったら、次はピストンが上に押し上げられて圧縮されます。
圧縮されますと、ジャスト・タイミングでSpark Plug(点火プラグ)に火花が散ります!
その火花が圧縮された混合気を「爆発燃焼、Burning または Combustion」させます。
この燃焼は、プラグの発火部分から規則正しく爆発燃焼が始まり、スムーズに、きれいに
広がりながら燃え広がるのです!
このときピストン内が膨張し、ピストンを押し下げます。
これがエンジンの出力となるわけです!

 

ところが、エンジンに異常が生じますと「Detonation(デトネーション)」とか「Pre-Iginition
(早期点火)」と言う危険な状態(異常燃焼)が発生します。

 

「Detonation」というのは混合気がスパークなしに、勝手に自然発火し、爆発してしまう
状態なのです。
英語では"Explosion"と言います。 
これはタイミングなどを無視した状態で起りますので、エンジンの出力がまず大きく低下
します。
そして最悪の場合は、エンジンを完璧なまでに破損させてしまいます(^^;

タイミング悪く各気筒(シリンダー)が爆発膨張しますと「Knoking(ノッキング)」と
言う状態になるのです!

 

「Detonation」を起しますと、タイミングがバラバラのため、凄く大きな振動と出力の
低下を感じるそうです。(私は経験がありません)

これも文章で書くには難がありますので、Youtubeでご覧下さい!

 https://www.youtube.com/watch?v=ZWKRw0HmBLE

 

通常の「Burning & Cumbustion」と違った燃料の爆発(Explosion:自然発火)を起こして
しまう場合を「Detonation」と言います。

 

「Detonation」が起こる時というのを、パイロットとして心得ておかねばならないのです!

 

まずエンジンが高温になり過ぎた時 (High Power and Slow Airpseed)に起こります!
シリンダー内部が高温になり過ぎますと発生しやすくなります。 

 

夏場の暑い時間帯の離陸は、高出力のエンジンが過熱することが考えられます。
以前、書かせていただいた数年前の、真夏の調布飛行場から飛び立った軽飛行機が近辺の
民家に墜落炎上した事故の原因の一つではないかと、私は思っております。

 

実はなんと、飛行機のほとんどが空冷式エンジンなのです!
ですから外からの空気の取り入れはスピードがあり、高高度を飛んでいれば、どんどん
冷却効果が上がりますが、長い地上滑走を済ませて、いざ離陸っていう時はやはり危険な
のです!

 

「Detonation」などが発生しなくても、エンジンの温度が高くなることを知っておくと
いいですよね!

 1)急上昇(Steep Climb)はエンジン温度が上がります!
  急上昇をするには、エンジン出力を大きくする必要があります。
  そこに上昇というのは速度が遅くなるで、エンジンの温度が上昇します。
  やはり、急上昇を無理し過ぎますと「Detonation」を起す可能性があります。
  私の持っているフライト・シミュレーターで何度もやりましたが・・・「Detonation」
  の前に「Power on Stoll」になっちまいます(^^;

 

 2)燃料比率が低すぎる場合(Excessively Lean Mixture)
  エンジンはやや多い目にガソリンを送り込んで、ちょっと燃え残ったガソリンが熱を
  逃がすということを前章で書きました。
  ですから、そのガソリンの余裕がありませんとエンジンが高温になってしまします。
  またガソリンの量が少なすぎる(空気が多すぎる)と燃焼効率が悪くなり、「Detonation」
  を起す場合があるそうです!

 

 3)等級以下の燃料の使用(Lower Fuel Grade than Specified)
  飛行機メーカーが推奨・指定した等級よりもグレードの低い燃料を使った時に
  やはり「Detonation」が起こりやすくなります。
  ガソリンの等級はオクタン価と言う数値で、「Detonation」に対する燃料の耐久性の
  数値なのです。 
  数字の大きい方が「Detonation」に対して耐性が強く、数字が小さいと「Detonation」
  が発生しやすくなります。
  矛盾しているようですが、等級が低い方が燃え易いのです!
  そのため火力が強いためエンジンを加熱してしまうのですね!?
  等級の高いガソリンの方が火力は落ちますが、圧縮に対して強くなります。 
  グレードの高いガソリンは爆発力は落ちるのですが、より高い圧縮率を得られますで、
  結果的に高出力を得ることができます。
  グレードの低いガソリンは、現在の高圧縮エンジンには耐え切らずに、「Detonation」
  を起してします。

 

ですから「Preflightチェック」で、機長は必ず、燃料のGradeを確認しなければなりません。

 

以前にもお話しましたが、航空燃料には等級が分かる様に色付けがなされています。

日本のクソッタレ教官は、ガソリンを抜いて調べるのに「Fuel Sampler Cup」というのを
使うのですが、タンクからサンプル用のガソリンを抜いてから「空にかざせ!」と教えま
した。
「どうだ! 何色している!」
「青です!」
「よぉ〜っし! それでいい! まぁ〜本当は緑なんだ! マニュアルで調べておけ!」
「だって空の色が「青」なんだもん・・・、どうしても青く見えますよ(^^; 」
てなことは、口が裂けても言えないので・・・黙って、???です(^^;)

 

米国の教官は、優しく(Gently)
「なるべく機体の白い部分に当てて、透かすように観て下さい!」
といいます。

 

なるほど・・・セスナ172で使うAV-GUS(Aviation-Gus)は、100LL(青)か
100(緑)なのです。

 

米国の教官の言ったとおりやれば、ガソリンの色チェックだけでなく、水の混入、不純物
混入もよく解ります。
日本のクソッタレ教官風なら、なかなか水や不純物含有を見つけるのは容易じゃない(^^;
これもケツで感じろというのかぁ・・・?(^^;

 

経験はなくても・・・「Detoanation」などの異常を感じたら、なにかすべき方法を知って
おくべきですね!?

 

マニュアルや米国での教官はきちんと教えてくれました。
「可能な限り飛行機の機首を下げて速度を上げてください! この飛行機セスナ172P
 は空冷式のエンジンなので、速度が速くなると冷却が進みます。
 また出力を少し下げましょう! エンジン自体が高温になることを避けることもでき
 ます!」

 

実機訓練の後、ハンガーにある教室に戻ったら、米国の教官は、これまた教則本を取り出して、
「High RPM (High Power,Manifold Pressure;アクセル全開)で、Low Airspeed(低速飛行
 の状態で)、Steep Climb(急上昇)は危険と頭に入れてください! だから、この逆の
 事をすれば安全に飛行できますね!
 夏場のShort Field(短い滑走路)からのVx離陸は厳重注意なんですよ!」

 

「Mixtureを必ずRichにすることはチェックリスト通りですが、とにかくFuel&Air Mixture
 が薄すぎる(Lean)と、エンジンが高温になり「Detonation」が起こりやすくなります
 から・・・。
 なんども勉強しているように、MixtureをRichにする事によって、余分な燃料がエンジ
 ンの熱を排出してくれる事にもなりますから・・・!」

 

「Carburetor Heatを引っ張る(On)にするとMixtureはRichになるのですが、熱い空気が
 エンジンに入り込みますので、やってはならないんですよ!」

 

「とっておきの方法は、Cowl(車のボンネット内)Flap(外気を直接入れる通気口)を
 離陸の際やTaxing中はOpen(開ける)ようにしましょう!
 飛行中も、エンジン温度を見る余裕ができたら、エンジン温度が高い時はCowl Flapを
 Openにして、少しでも多くの空気をエンジン周辺に循環させ、エンジンを冷却させま
 しょう! 本当は、Engine Instrument(エンジン関係計器類)を見る癖をつけておくの
 も一人前になる条件です!」

 

「Detonation」と同じくらい危険なのが「Preignition」というシリンダー内部の一部が凄く
熱くなり、スパーク・プラグが点火する前に、その部分から混合気の燃焼が始まること
があります。

 

「Detonation」と同様にシリンダー内で早く点火が起こり、爆発燃焼のタイミングがバラ
バラになってしまいます。
原因は、Carbon Deposit(燃えカス)が熱を持って、それが燃え発生してしまうそうです!
またシリンダー内やプラグの傷が原因の場合もあります。

 

「Pre-iginition」は、通常燃焼する直前に起こります。

この2つ「Detonation」と「Pre-iginition」の関係ですが・・・。

 

両方とも違う現象なのですが原因は同じ様なものです。 
また「Detonation」が「Pre-Ignition」を誘発したり、逆の事もあります。

 

実は、これらが同時に起こることもあります。
どちらも高温で発生し、出力の低下と振動を伴います。
また実際の飛行中に命を掛けてまで飛ぶべきではありません!

 

エンジンの異常振動を感じた時は、「Detoantion」「Pre-iginition」などを疑い、即座に出力
を下げ、速度を上げて、MixtureをRichにして様子を見ることとマニュアルに書いてあり
ます。

 

もちろん、日本のクソッタレ教官からは、「Detoanation」の「De〜」の言葉も発せられた
ことがありません。

 

米国で飛行訓練と飛行機の知識の再勉強を始めてから、私はみるみる興味が沸き上がり、
知識を得ることで、飛行機の操縦が驚くほど上手になったことは事実です(^^)

 

 

さてビジネス・リーダーへの教訓は2つあります。

 

一つは、

 

 『学んで足らざるを知り、教えて至らざるを知る』

 

という言葉を何度もなんども反芻して、脚下照顧の材料にしましょう!

 

あらゆる仕事、作業には、「目的」と「手段」が必ず存在します。
「目的」を完遂するための先人先達が当時の最高の知恵を絞って、考えついた「手段」に
は必ず、「論理的な理由」が存在します。

 

この「論理的な理由」こそが、御社のマニュアルに記載されているかどうか!?
非常に重要なことなのです!

 

私は小売業界に席を置いているときから、米国のチェーンストアに存在するマニュアル類
を読み漁ったことがあります。

 

パイロットになるにはなれましたが、米国で再度、米国のパイロット免許を取ろうと決意
し勉強を始めましたら、それに必要なマニュアル、参考書、VTR、Youtubeなどがあふ
れていることに驚きました。

 

なるほど・・・、エアーライン・パイロットも含めて飛行機操縦士免許を有する人が日本
には1万人足らずなのに・・・米国では、49万2千人にもいるのです!

 

飛行機の数でしたら、日本が1700機弱、米国は25万8千機もあるのです。
日本には約100の飛行場がありますが、米国には正式な飛行場が約2000、個人の
飛行場も含めると5000は下りません!

上記の数字は2008年の古い数字ですが、比較として参考になりますね!?

 

米国では、これだけ大量のパイロットや整備士を養成し、飛行場関連施設の専門家を養成
するためには、適切に教えることができるインストラクター、トレーナーも養成しなけれ
ばなりません。

 

ここに「マニュアル」と「Off・JT」「OJT」のできるシステムを構築しなければなら
ないのです!

 

企業が飛躍的に拡大成長し始めたときに、人財の育成がままならぬのは、組織にインスト
ラクター、トレーナーがいないこと、教えるためのマニュアル・参考書がないことが圧倒
的に多いですね!

 

あの日本のクソッタレ教官のような職人がいたのでは、どんなに優秀な逸材も伸びません!

二つ目は、

 

「異常」を感知するシステム(仕組み)と企業・組織の要員全員が、敏感に感じる、そし
て、その論理的理由の解ることがポイントどころですね!

 

企業・組織は、教育・訓練の連続出なければなりません! そして各人の持っている能力
を見事なまでに開花・開発する仕組みがなければなりません!

 

私個人の教育・訓練、能力開発のあり方は、老子から教わったこの言葉に尽きます!

 

 人に魚をあげれば一日生かすことができる。
 人に魚の釣り方を教えれば一生、生かすことができる。
 

いわき経営コンサルタント事務所ホームページ
http://www.imcfujimoto.com/

 

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