「リスキー・シフト」

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先般、ある急成長しているまだ小さな会社の経営戦略会議に出て、アドバイスをしました。

 

どうも朝から参加者の顔が浮かない?
どうしてか訊いてみますと、先月の業績がどうもよくない。
これからのGW,そして夏場に向けて不安材料がある。

社長は、
「うちで会議をするとどうにも意見がまとまらないというか、格好はいいが実のある結論に達しな
 いんですわ!」
というです。

 

そんじゃぁ、人間心理の面から、なぜ会議が宙ぶらりんになるのかを簡単に講義してみましょう!

「さぁ、みなさんの意見はどうですか? 一人ずつ意見を述べて下さい!」
と会議で、議長である社長などが聴く場面ってたくさんありますね。

集団で会議をすると、会議の結論は以下のどのようになるでしょう?、
 a)ほぼ参加メンバーの平均となる。
 b)個人意見の平均よりも安全策を採る。
 c)個人意見の平均よりも挑戦策を採る。

 

実は、実験結果では『C』なんです!
採決するまでの個人意見の平均よりも挑戦策を採るんですね!

これを「リスキー・シフト」といいます。
マイケル・A・ワラックの実験ともいいます。

 

なぜ「リスキー・シフト」の結論となってしまうのか心理的な理由があります。

 1)会議で発言をするとなると、自分の意見を主張し「イエス」か
  「ノー」をハッキリ決めなければならない。
  そのため外に向かって明確な自己呈示をする段になると、だいたい人は格好をつけて「リスキ
  ーな方向」を強める。

 

 2)会議では、どの参加者も他のメンバーよりも自分の方が「より明確な意見」を持っていること
  を誇示したい気持ちを抱いている。

 

 3)会議で交換される情報によって、お互いが意見を支持し合ってリスキーな方向に向かってゆく。

 

 4)「集団同一性」の心理という、メンバーはその集団への「忠誠心の証」として、「帰属心」を
  満たし、それを表明するために周囲との「同調行動」をしてしまうんですね!
  実は、別名「踏み絵の原則」ともいいます。

 

ところが、いままで順風満帆だった企業の業績がどんどん悪い方向に向かってゆくと、組織の方針
が常に失敗を回避することが優先されてゆきます。

そうすると今度は、会議の結論は逆に「安全策」「保守的方向」に動くようになるんですね!
これを「アンリスキー・シフト」といいます。

ですから、状況に酔って会議は「リスキー」な方向だけでなく、「保守的」な方向にも動くんですね!

また、集団で討議しますと、明らかに一つの傾向が示されるようになります。
討議前に保守的だった人は、討議後には、より保守的となる傾向があるのです。
討議前に挑戦的だった人は、討議後には、より挑戦的となる傾向があるんですね(^^)
これを「ポラリゼーション(極端化傾向)」といいます。

 

次に、会議の結論というのは、議長の性格や組織風土(企業文化)によって、参加者の心理が働き
どうなるのかを考えましょう!?

 

道沿いにある木の塀に小さな穴が空いている場面を想像して下さい。
貼り紙がなければ、道行く人はほとんど誰も気づかず、見向きもせず通り過ぎますが、「この穴覗
くべからず!」と張り紙がありますと、何人かは必ず穴を覗きますね!

 

私も昔々、若かりし頃、あるおしゃれなスナックでトイレにゆきました。
そうしたら、目の前の壁に等身大オールカラー金髪美女のヌード写真が貼ってあるではありませんか!
それも真正面の・・・!
ところが・・・・肝心なところにバタフライ型のプラスティック片がぶら下げてあるんです。
1本の釘で・・・・(^^)
若くなくても、私は性格上必ず、そのプラスティック片を動かしてみようとしますね!
実際にやってみました(^^)
な・な・な・なんと、そのジャマなものを剥がしても、なぁ〜んもないのです(^^;
「やられたぁ〜(^^;」
と思いながら、用を済ませ(いいですか!こんな場面では重要なものに集中して、尿意すら忘れる
んですよ!)、何もなかったように席に戻りました。
そうすると、カウンターの中にいるママやお店の女性達がこっちをみてニタニタしているのです(^^;

私はやや動揺しながら、ママに言うのです!
「な・な・な・なんか・・・(^^;(^^;(^^;」
「観たでしょう!」
「な・な・な・なにを・・・(^^;(^^;(^^;」
「あれ!」
「ドッキ〜ン(^^;(^^;(^^;」

なんとこのスナックでは、知らぬ人があのデルタ・マークを触ったらたちまち、店内のカウンター
影に設置されたランプが点くんです。
そしてなんとまぁ・・・チャイムまで鳴るのです(^^;
いまだったら、個人情報保護法とプライバシー侵害でドタバタするでしょうが?
私は、こんなタイプのいたずらをする人が大好きです(^^)
このスナックは、やっぱり流行っていました。
話の発端が出来るし・・・(^^)
私は最後まで、女性陣から「好きなんだから!」ってからかわれていました。
でも「好きなんだから!」を理解してもらったら、気取ることもないし本性が出せる!

 

ここで学ぶべき事は、なんでもかんでも規則・ルールの過度な「べからず」「強制」は『逆効果』
であるということなんです。

いままで任されている自分の裁量が、他人から侵されたり制約されると、人は不愉快になったり、
反発したりするですよ!

 

そうなんです!
「自由選択権」=物を買うときの選択なんかがそうですね。
たとえば昼食に何を食べるかの選択とか、自分の意志や自分の好みで物を選び行動したいと思う
心理を制限・禁止するとストレスにもなります!?

ここでいう「自由」というのは、私たちは無意識に「選択の自由」に対する執着心を潜ませている
という意味なんですね!

人間は「見ちゃダメ!」「やっちゃダメ!」と禁止されると「見たり」「やりたく」なる!

「奪われる自由」が本人にとって「重大」であればあるほど、心理的にリアクタンス(抵抗)が
大きくなるんですね!
これを「心理的リアクタンスの理論:ブレムの実験」といいます。

 

まだ講義を終えませんでした!

今度は、
人間は、「自分は誰よりも苦労し、誰よりも努力し、誰よりも貢献度が高い」と思いたがるんです
よ!って。
これを「エゴセントリック・バイアス=自己中心性バイアス」というんです。

 

社長を観ながら、
「だいたいどこの社長もそうなんですよ!」
なんて、嫌みをいうことを私は憚りません!

 

そうなんです!
会社や自部門の成績が悪くなったとき、部下に「責任転嫁」をする社長・管理職の多い原因は「自
己中心性バイアス」を持っているんですね!

その原因は、
 1)人間は、自分自身の言動にはある程度「連続的」に注意を集中できるが、他人の言動には「チ
  ョット」にしか注意を向けられない。

 

 2)行動を論理的に推論する時、他人の言動はわかりにくいんです。自分の言動はわかりやすい!
  なぜなら、自分でイメージしているから。

 

 3)実は、人間の内包している「自尊心の存在」というのが相当に影響するんですね!

 

人間の「自尊心」というのは、「支配したい欲求」とも密接に絡んでおります。その「支配欲求」
は「自己中心性バイアス」となって自分自身の言動や他人への評価を決定してゆくんですね!

と、このような講義をしてから再度、会議指導に入りました。。

 

今日はこれから、
「既存小売業の競争激化による売り上げ低迷で納品額が激減している状況下での、当該小売業への
果敢な提案をどうすべきか?の答えが出て、提案書の骨子ができるまで行ないましょう!」
なんて、課題を呈示しました。

「なんでも好きなだけ、アイデアを出そう!」
これが功を奏するんですね!

 

もちろん、「リスキー・シフト」が掛かるんですが、怖じ気づくよりいいんですね!

 

ありがとうございました。

 

 




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